口腔バイオフィルムとプラークの違い【歯周病対策】

歯周病の基礎知識

細菌

歯磨き剤などを見ているとバイオフィルムに効果があるという表記を見たりします。
私も使っていたライオンのシステマもバイオフィルムの内側を殺菌するとしていますね。

 

バイオフィルムは歯周病菌を含む細菌の巣窟なのですが、細菌の塊と言えば歯垢(プラーク)もあります。
それではこのバイオフィルムとプラークに違いはあるのか?

 

歯周病対策をする場合はこのような表記の違いも注目しないといけないので調べてみることにしました。
私は専門家ではないので間違いがあるかもしれません。

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プラークとは

バイオフィルムの前にプラークについて触れておきます。
当サイトではプラークが歯周病菌の巣窟という話はなんどか触れています。

 

しかし、その実態について詳しく触れていなかったので、どのようなものかを紹介しておきます。
厚生労働省が運営する「e-ヘルスネット」には

プラークとは、食べものの残りカスが歯の表面につき細菌が繁殖したもので、白くねばねばしています。食後8時間程度でプラークができるといわれ、プラーク1mgのなかには、およそ300種類1億個ものの細菌が存在しています。
出典:プラーク / 歯垢 | e-ヘルスネット 情報提供

このように紹介されています。
食べ物の残りカスに引き寄せられて集まってきた細菌の塊ということですね。

 

それに対する対策方法は

口の中にプラークをなるべく残さないためには、毎日の歯磨きが重要です。プラークは粘着力があり、水に溶けないので、うがいではとることができません。歯ブラシでブラッシングするのが基本ですが、歯と歯の間の汚れは歯ブラシでは半分程度にしか落とすことができません。デンタルフロス(糸ようじ)や歯間ブラシという専用ブラシで磨くことがすすめられます。
出典:プラーク / 歯垢 | e-ヘルスネット 情報提供

日々のブラッシングが大切としています。

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口腔バイオフィルムとは

歯磨き剤などでうたわれているバイオフィルムとは口腔バイオフィルムになります。
というのもバイオフィルムは口の中だけにできるものではなく、自然界ではごく普通に存在するためです。

ヒノキ

バイオフィルムについて調べていると台所やお風呂場のヌメリとと紹介されています。
四隅にできるヌルッとした感じはバイオフィルムによって起こっているそうです。

 

あのヌメリが口の中にもできると言うことです。
バイオフィルムもプラークと同じ細菌が集合してできた巣窟になります。

 

そのためプラークとバイオフィルムは同じと扱われますが、決定的な違いは名前が示すようにフィルムをつくることです。
プラークはあくまで雑菌などが関係性もなく集合しているものですが、時間の経過とともに関係性を持ち始め互いの弱点を補います。

 

そして膜を形成して外敵から守りを固めていくのです。
ヌメリはフィルムによるもので、膜を張られると唾液による殺菌が期待できなくなります。

唾液が正常なら虫歯も予防できますが、バイオフィルムになってしまうと唾液が届きませんから進行するだけです。

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バイオフィルムは完全にブラッシングでは落とせない

バイオフィルムになると厄介なのは歯ブラシでブラッシングしても落とせないということです。
四隅に出来たヌメリはそう簡単には落ちてくれませんよね?
専用の洗剤を使ったり力を強くしてゴシゴシこすらないと落ちてくれません。

 

 

歯ブラシでのブラッシングではバイオフィルムを落とすことは難しいのです。
強くこすり過ぎると歯茎を傷つけて細菌が内部に侵入します。
力を入れてブラッシングはやめましょう。

バイオフィルムに有効であるライオンのシステマなどの歯磨き剤もありますが、完全に除去するのは難しいと言われています。
バイオフィルムは歯周ポケットの奥にもできるのでブラシが届きにくいためです。

 

最終的に歯医者で使われている洗浄機で落としてもらう以外方法は有効な方法はありません。

 

バイオフィルム形成に48時間 カンジダ菌も関係

プラークがバイオフィルムを形成するまでの時間はどれくらいか?
厚生労働省によればプラークの形成までは8時間とされていました。

 

つまり、食事をしてから8時間以内にはバイオフィルムができません。
「Oral Studio」にバイオフィルム形成についての記事がありました。

カンジダのバイオフィルム形成を調べると、唾液ペリクルが存在しない場合に比べて存在した場合は、初期(0~24時間)のバイオフィルム形成は抑制される←【唾液の生体防御機構】
しかし48時間以上培養すると、唾液による防御作用は失われ、逆にバイオフィルム形成が急激に促進される
出典:【Oral Studio】高齢者・ケア:口腔カンジダの付着およびバイオフィルム形成

ここから48時間後から形成がはじまると考えてよいかと思います。
唾液が殺菌作用を持つという話は何度か紹介しています。

 

唾液が分泌される限りプラークは簡単にバイオフィルムに変化することはありません。
約2日あるとプラーク内の細菌の結びつきが強くなりバイオフィルム化が加速するのでしょう。

また、この事例ではカンジダ菌のバイオフィルムとしています。
カンジダ菌も当サイトで何度か触れています。

 

バイオフィルムを作る主要因が歯周病菌のひとつであるカンジダ菌にあるということです。
ペリオバスターを使ってカンジダ菌を抑制すればバイオフィルム形成を防ぐことはできるかもしれません。

 

バイオフィルムはプラークの進化系

今回はプラークとバイオフィルムの違いとどのようにできていくかなどを紹介しました。
バイオフィルムはプラークの進化形と言えるかもしれません。

 

プラークはあくまで細菌が集合しているだけで、それぞれに関係性はありません。
しかし、時間が経過することにお互いの弱点を補い合いひとつのグループを形成します。

 

そのグループはフィルムによって守られ殺菌作用のある唾液を寄せ付けません。
こうして防御態勢が整ったバイオフィルムは虫歯や歯周病を進行させていきます。

 

風呂場や流し台にできるバイオフィルムと同じようにブラッシングでは簡単には落ちません。
歯周ポケットの奥深くにもできますので歯医者で除去してもらう以外にないでしょう。

 

完全に防ぐことはできませんが、ある程度の予防はブラッシングでできます。
バイオフィルムが急激に成長する48時間以内のブラッシングは有効と言えそうです。
また、原因としてカンジダ菌がありますからペリオバスターによる除菌もバイオフィルム形成を阻害するには有効と言えるでしょう。

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