ネバネバ粘液性唾液とサラサラ漿液性唾液の役割

歯周病と唾液の関係

087211
唾液は1日に合わせて1.5~2L分泌していると言われています。
この唾液は大きく分けて漿液性唾液粘液性唾液に分けられます。

 

どちらも唾液であることは変わりありませんが、それぞれ役割が異なります。
ここではネバネバ唾液の粘液性唾液、サラサラ唾液の漿液性唾液の話を中心に取り上げています。

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粘液性唾液と漿液性唾液

粘液性唾液と漿液性唾液の解説をしていくのですが、そのまえに唾液そのものの役割が何かを知っておと良いです。
そのため下記の記事を参考にしていただいたあと見ていただけるとより理解できるかと思います。

 

理解していただけたでしょうか?

 

唾液の役割は上記の記事で紹介している通りです。
ひとことで言えば口腔環境正常化になります。

唾液の大半は水分ですが、水分のほかに下記のようなさまざまな成分が含まれています。唾液はただの水ではないのです。これらの成分が私たちの健康にとって大切な役割を果たしています。
1)水分(99.5%)
2)無機成分・・・ナトリウム、カリウム、炭酸水素、無機リン、カルシウム
3)有機成分・・・アミラーゼ(酵素)、IgA(免疫物質)、ラクトフェリン(抗菌物質)、リゾチーム・ラクトペルオキシターゼ(酵素・抗菌物質)、ムチン(タンパク質)
出典:カラダと健康のために、きちんとオーラルケア Mouth & Body PLAZA

唾液の主成分は水分で99.5%であるということをはじめて知った人も多いのではないでしょうか。
これを額面通り捉えると唾液はミネラルウォーターと同じで本来であればサラサラしたものでないとおかしいですよね?

 

しかし、

上記の記事でも触れているようにネバネバ唾液で困っている人が非常に多いのも現実。
なぜ水分99.5%の唾液がネバネバするのか?

 

この理由はネバネバ唾液が出やすい環境にあるという分析ができると思います。

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粘液性唾液(ネバネバ)の出やすい環境

唾液がネバネバして困っている人は思いの外多いですね。
当サイトもネバネバ唾液を何とかしたくて訪問されている人も非常に多いです。

 

さて、先にネバネバ唾液には出やすい環境にあると紹介しました。
ネバネバ唾液である漿液性唾液が出やすい環境とはなにか?

 

これも何度か紹介していることですが、細菌などが多く口腔環境が酸性側に偏っている人です。
常に口の中に酸っぱさとか不快感がある人は要注意ですね。
ネバネバ唾液である粘液性唾液の役割は再石灰化や殺菌

 

唾液には酸で溶けてしまった歯を修復する作用があります。
これが無いと少し虫歯になっただけであっという間にボロボロになるまで進むでしょう。

 

また、食べ物なので酸性化する酸蝕歯に対しても無防備となってしまいます。
虫歯や歯周病菌は常在菌ですから常にリスクと隣り合わせです。
隣り合わせのリスクと戦うのが粘液性唾液になります。

 

唾液をネバネバさせているのはムチンと言われています。
ウナギ

ウナギのつかみ取りをやったことはあるでしょうか?
表面がヌルヌルしていて掴めないですよね?

 

ウナギの皮についているあのヌルヌルした液体もムチンです。
水中にはさまざまな微生物などがいます。

 

それらの脅威から自身を守るためにムチンの粘液を出して守っているわけです。
動物には環境に対応して分泌液を出すことがあります。
唾液がネバネバする人は口腔環境が酸性に偏っており脅威にさらされ、殺菌と再石灰化が強く求められているあらわれとも言えるのです。

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漿液性唾液(サラサラ)のは薄めて中性に

ネバネバ唾液の粘液性唾液は殺菌作用や再石灰化を得意とする唾液でした。
これは口内が酸性に傾きやすいため歯が溶けやすくなっています。
そのような環境では殺菌や再石灰化が強く働きますから必然的に粘液性唾液が多くなるでしょう。

 

唾液の99.5%は水分であり、残りの0.5%に殺菌作用などです。
そのため適正な唾液であればサラサラ唾液の漿液性唾液が圧倒的に多く分泌されるのが普通になります。
しかし、殺菌作用もない唾液にどんな意味があるのかと疑問に感じる人も多いはず。

 

サラサラした漿液性唾液の役割とはどんなものか?
唾液の役割のところでも触れている4つの役割で言うと

  1. 発声の潤滑化
  2. 食べ物処理の補助
  3. 喉の渇き抑制
  4. 口腔環境を中性に保つ

上記で紹介した4つの役割すべてが該当すると言ってもよいでしょう。

 

サラサラ唾液ですから不純物である0.5%の成分は少なく真水に近い状態です。
ですから潤滑油のような働きをする漿液性唾液は1~3の役割をします。
また2の「食べ物処理の補助」に関しては漿液性唾液特有の消化酵素アミラーゼの働きもあります。

 

「口内環境を中性」に関しては殺菌が中心になるので粘液性唾液によって実現するものではありますが、口腔環境は酸性とアルカリ性を中和して中性を目指すという方法ではなく、中性で希釈して中性に持っていくよう働いています。
口腔環境を中性に保つのも漿液性唾液の中性力といえるのですね。
成分で見ると中性なので本当に意味があるのか疑問になる漿液性唾液ですが、粘液性唾液と同じくらい大きな役割を持っています。

 

口腔環境正常化に必要な粘液性と漿液性

洗剤

今回は粘液性唾液と漿液性唾液の役割について紹介してきました。
これについては唾液の役割の部分で触れた内容と重なる部分がほとんどでしたが、役割によって2つに分けることができるとは紹介していませんでした。

 

粘液性唾液は名前が示す通り粘液なのでネバネバした唾液です。
対して漿液性唾液はサラサラ唾液とも言われますね。

 

理想としては漿液性唾液が多い状態です。
「唾液は潤滑油」という状況になれば最高ですね。

 

とはいえ、これは口内に細菌がほとんどいない人に限るでしょう。
歯周病は国民病とも言われるくらい蔓延していますから、このような人は極めて珍しいと思います。

 

そうなるとネバネバ唾液と付き合うのは宿命になるでしょう。
私も歯周病の治療をしていますが、なかなかネバネバ唾液から逃れられませんね。

 

唾液がしっかり作用している証拠と捉えれば前向きになれますが、ネバネバ唾液は気持ちが良いものではありません。
何とかしたいと思うこの頃です。

 

なぜネバネバ唾液が出てしまうのか?
もう少し詳しく知りたい人は下記の記事も参考にしてみてください。

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