歯周病予防はヨーグルト歯磨きで乳酸菌LS1を増やす?

食べ物で歯周病予防

ヨーグルト

歯周病予防ヨーグルトが良いと言う記事を見かけました。
ヨーグルトで歯磨きをするという発想はなかなかおもしろいですね。

 

説明を見るとヨーグルトに多く存在する乳酸菌が効果を発揮しているようです。
唾液の中には乳酸菌も含まれていますので効果はあるのかなと思います。

 

しかし、これについては疑問視する声もあります。
乳酸菌にも種類があり、口腔環境で働くのは乳酸菌LS1と呼ばれるタイプです。

 

私が調べた限りではヨーグルト製品で乳酸菌LS1が含まれているものがありません。
加えて、ヨーグルトは酸味があるので歯を溶かさないかという心配もあります。
そのあたりはどうなのか調べてみました。

[adrotate banner=”3″]

ヨーグルトは歯磨きは善玉菌に期待

最近はプロバイオティクスという自然の力を活用して健康を維持しようという流れがあります。
プロバイオティクスの代表格なのが善玉菌ですね。
ヨーグルトを食べると便秘解消になるというのは定番かと思います。。

 

それを口腔環境にも応用しようと発案されたのがヨーグルト歯磨きのようです。
ヨーグルトには体内を正常にしてくれる善玉菌である乳酸菌などが多く存在しています。

腸

腸内には善玉菌と悪玉菌が存在しておりバランスをとっています。
最近は食生活やストレス社会などで腸内環境のバランスが崩れやすいです。
バランスを戻すことを目的として善玉菌を摂取します。

 

便秘に良いことから乳酸菌が働くのは小腸や大腸と思われがちですが口腔環境も同じです。
口腔環境にもさまざまな悪玉菌(歯周病菌など)が存在しており、それらと対峙しているのが乳酸菌になります。
ヨーグルト歯磨きはこの乳酸菌の働きに期待した歯周病対策方法なのです。

 

便秘と歯周病については下記の記事も参考に。

[adrotate banner=”4″]

唾液に含まれる乳酸菌LS1はヨーグルトにない

歯周病対策に乳酸菌が有効なのは事実といえるでしょう。
乳酸菌にも種類があり効果を発揮すると考えられているのは唾液にも含まれる乳酸菌LS1です。

 

ウィキペディアには以下のような記述がありました。

乳酸菌LS1(にゅうさんきん エルエスワン)(= Lactobacillus salivarius TI2711) は、東海大学医学部感染症研究室 古賀泰裕教授のグループにより健康なヒトの口腔内から分離された乳酸菌である。口腔内の悪玉菌である歯周病原菌を抑制し、口腔内細菌叢を正常化する善玉菌としての働きを持つ。
出典:乳酸菌LS1 – Wikipedia

乳酸菌LS1についての研究は進んでおり、歯周病菌を抑制する成果を上げていることが確認されています。

歯周病の原因は今もなお特定には至っていません。
ですから、原因と考えられるものをすべて潰すことが必要になります。
ヨーグルト歯磨きもその一環で生まれたものです。

 

ヨーグルト歯磨きが目指している善玉菌で口腔環境のバランスを整えるという考え方は間違っていないと言えます。

 

しかし、乳酸菌LS1はヨーグルト製品に配合されていないようです。

私が調べた限りでは乳酸菌LS1を摂取できるのはフレンテのスーパークリッシュだけです。
ですから、市販のヨーグルトで歯磨きをしても効果があるのかは疑問になります。

 

追記


口腔内の悪玉菌と善玉菌バランスを整える乳酸菌LS1タブレット【ランキング入賞商品】【乳酸菌含…

ライオンからも「オーラルヘルス」という乳酸菌LS1タブレットが発売されていました。
製造元はフレンテなので内容はスーパークリッシュと同じようです。
(TI2711は乳酸菌LS1の新名称)

[adrotate banner=”5″]

ヨーグルト歯磨きで歯が溶けないか?

ヨーグルト歯磨きにはさらなる疑問があります。
それはヨーグルトの酸で歯が溶けてしまうのではないかというものです。

 

ヨーグルト歯磨きは終わった後に口をゆすぎませんのでヨーグルトが残った状態になります。
起きている間であれば唾液によって徐々に薄められていくので良いかもしれません。

上記の記事でも触れていますが、唾液は寝ている間が一番少ないです。
もし寝る前にやったら唾液の中和作用も期待できなくなり歯が溶ける危険性があります。

食べ物で歯が溶けることを酸蝕歯といいます。

乳酸を作るから乳酸菌

虫歯

そもそも乳酸菌はなぜ乳酸菌と呼ばれているかご存知でしょうか。
とても簡単で乳酸を作るから乳酸菌なのです。
乳酸菌は乳酸という酸性物質を作り出します。

 

虫歯で歯が溶けるのは虫歯菌のミュータンス菌が乳酸を作るからと言われています。
乳酸菌と虫歯菌は同じような動きをしているのです。

上記の記事では乳酸菌の腸での働きについて簡単に触れています。
そのなかに腸内環境を酸性に保つと言うものがあるのです。

 

乳酸菌は糖をエサにして乳酸を作り出します。
この乳酸が腸内環境を酸性の方向へ導き、悪玉菌が好むアルカリ性にすることを防いでいるのです。

 

そんな乳酸菌がたくさんいるヨーグルトは間違いなく酸性の食品。
歯を溶かさないとは言い切れません。

 

そうなると乳酸菌LS1も酸性化して危ないのではと思われるかもしれませんね。
これについては口腔環境で働くことに特化していることから自己調節機能が働くようです。

 

口腔環境は腸内環境と違い中性が望ましい状態です。
乳酸菌LS1で酸性側に傾き始めると自壊して数を減らすとのことでした。

唾液の主成分は水分が99.5%を占めています。
残りの0.5%の一部に乳酸菌LS1が含まれているわけですから、口内の乳酸菌の量は微量なのです。

 

ヨーグルト歯磨きはリスクが高い

危険

今回はヨーグルト歯磨きについて取り上げてみました。
歯周病予防に乳酸菌が効果的であることは間違いないと考えてよいでしょう。

 

ただし、乳酸菌LS1に限られるようです。
市販のヨーグルトには乳酸菌LS1は含まれていませんから効果があるのかは疑問になります。

 

 

逆にヨーグルトで歯磨きをすることで歯が溶ける危険性もあります。
乳酸菌は乳酸を作る菌ですから、ヨーグルト自体も酸性の食品です。
酸性の食品には酸蝕歯がつきまといます。

 

 

私はヨーグルト歯磨きはリスクが高いのではないかと考えますね。

追記

乳酸菌L8020というのも虫歯や歯周病に良い乳酸菌のようです。
80歳までに20本の歯を残すことを目指す8020運動に由来しているのでしょう。

[adrotate banner=”6″]

タイトルとURLをコピーしました