歯周炎は高齢者特有の症状と思われがちですが、若年層でも炎症が起こることがあります。
妊娠中には通常よりも歯周炎になりやすいと言われていますね。
私は男性なので妊娠のことはわかりません。
しかし、妊娠や出産は家族行事ですから男性だから関係ないというのは良くないです。
男性だから無知で良いという話にはなりません。
歯周病は男女問わず深刻化しています。
今回は座学の範囲ですが妊娠と歯周炎について簡単に触れていきたいと思います。
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妊娠性歯周炎は女性ホルモンと免疫力のバランス崩れ
妊娠中には歯周炎になりやすいと言われていますし、経験されている人も多いのではないでしょうか。
私は男性なのでそのあたりのことは経験できませんが、そのような話をネット上ではみかけます。
これについては原因が一応特定されており、「妊娠性歯周炎」という名称もついています。
妊娠すると女性ホルモンが多くなる時期があります。
この女性ホルモンが歯周炎と深く関係していることが指摘されているのです。
女性ホルモンが増えると歯周炎になりやすいと言われていますが、これも条件が揃った場合に限ると言えるでしょう。
条件とは免疫力の低下。
歯周炎は女性ホルモンと免疫力のバランスが重要です。
このバランスが崩れると妊娠性歯周炎のようなホルモンバランスが崩れると起こる歯周炎になりやすくなります。
男女問わず女性ホルモンが多く分泌される時期に思春期(成長期)があります。
女性ホルモンは骨格などを構成するために必要なホルモンですから、男女問わず思春期には多く分泌されるものです。
同じく思春期は人生の中で最も免疫力が強い期間とも言われています。
女性ホルモンが多く分泌されていても免疫力がしっかりしていれば防げるのです。
歯周炎と免疫力は非常に深い関係にあります。
上記の記事でも触れていますが、疲れているときなどは歯茎が炎症しやすいです。
これは疲れからくる免疫力の低下により歯周病を引き起こす細菌に対向する力が弱まっているからになります。
妊娠中は自分自身に加えて胎児を育てる力も必要としているので大きな体力が見えない所で消費されているのです。
その他にも胎児に対して悪影響があるので意図的に免疫力を下げているという話もありますね。
説はいろいろありますが、妊娠中は免疫力が低下しやすいです。
そのような状態で女性ホルモンが増えるのですから、免疫力とのバランスが崩れて歯周病菌が活発化してしまいます。
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プレボテラ・インターメディア菌が妊娠性歯周炎の原因
それでは女性ホルモンが増えると活発化する歯周病菌とはなにものか?
その細菌は「プレボテラ・インターメディア」という名前で呼ばれている細菌になります。
プレボテラ・インターメディア菌は偏性嫌気性グラム陰性桿菌に分類されている菌です。
長くて難しい名前なのでもう少し噛み砕いてみましょう。
偏性嫌気性
偏性嫌気性とは絶対嫌気性とも言われています。
漢字が示す通りなのですが、空気(酸素)を嫌う性質があり空気が存在する場所では生存できない種類です。
腸で働く善玉菌のビフィズス菌も偏性嫌気性で空気のある場所では生きられません。
そのため空気に触れやすい肛門付近には少なく、小腸と大腸の接続部分には多いと言われています。
偏性嫌気性の菌はジメジメして乾燥していない場所が活動的になりやすいです。
口の中は唾液が充満しており常に湿っています。
唾液には殺菌作用はありますが、湿っている場所は菌類にとっては活動しやすい環境でもあるのです。
特に歯周ポケットは空気に触れにく場所ですからね。
歯周病菌が好んで棲み着くのも納得ができるでしょう。
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グラム陰性桿菌
後ろの「グラム陰性桿菌」とはなにか?
これについては菌の構造を示す名称になります。
グラム博士が構造を区分するために考案した染色による区分で、ざっくりいうと乾燥に強いか弱いかが区別できるようです。
陰性は自身を乾燥から保護する細胞壁が薄いため乾燥に弱い性質があります。
一概には言えませんが嫌気性菌は乾燥にも弱くグラム陰性となるでしょう。
「プレボテラ・インターメディア」は偏性嫌気性ですから乾燥に弱い陰性であるのも頷けるのかなと思います。
この点に関しては医学の専門性が高いのでこのくらいにしましょう。
陰性には大腸菌で有名なO-157や胃痛を起こすピロリ菌なども含まれています。
ピロリ菌は歯周病の原因という指摘もあるので歯周病を引き起こし原因菌は総じて嫌気性と言えるかもしれません。
女性ホルモンとプレボテラ・インターメディア
妊婦の歯周病を検査すると「プレボテラ・インターメディア菌」が非常に多く見つかることがわかっています。
このことから妊娠性歯周炎を引き起こす最大の原因は「プレボテラ・インターメディア」と言われているのです。
「プレボテラ・インターメディア」は女性ホルモンを分解することで栄養を得て活動しています。
つまり、妊娠中や思春期のように女性ホルモンが活発に分泌される時期は、それに呼応して「プレボテラ・インターメディア」も活動的になり歯周炎などを引き起こすのです。
もちろん先にも紹介したように免疫力があれば症状はでないか軽度で済むでしょう。
妊娠中のように弱体化している場合はリスクが高まります。
歯周病の原因となる菌類は常在菌と言われており常にどこかに存在しているもの。
上記の記事でも触れていますが、常在菌である以上は完治することは不可能です。
口内では常に細菌の増殖が行われており、それに反応した免疫力が細菌を減らしています。
このバランスが崩れると細菌が勝ち数を増やして歯周炎を起こすのです。
防ぐ方法として日頃のセルフケアが重要と言われます。
口内に「プレボテラ・インターメディア」がどれだけ存在するかが症状の大小を決めることになるでしょう。
歯周病の人ほど歯周炎は起こりやすいと言われていますから、妊娠をする前に歯周病の治療を受けておくと症状が軽減されるようです。
歯周病の治療をすると防げる
今回は歯周炎と妊娠中に起こる妊娠性歯周炎について扱いました。
私は男性なので妊娠を経験することができませんので書籍などを見たりインターネット上の情報を探して書いてみました。
実感がわかないとなかなかわからないものですが、私も将来子供ができることもあるかもしれません。
そのようなときに無知では問題ですから、妊娠中にはどんなことが起こるかの知識は必要と思いまいた。
妊娠性歯周炎は女性ホルモンや「プレボテラ・インターメディア菌」が大きく関係しています。
女性ホルモンは妊娠中だけでなく思春期にも多く分泌されるのです。
私の歯周病は小学生くらいからなので思春期のころを思い出すと歯科検診で毎回指摘されていたような覚えがあります。
当時はまだ顕微鏡検査のようなものがなく歯石の除去が歯周病予防の定番でしたが、もしかしたら「プレボテラ・インターメディア菌」が大量発生していたかもしれませんね。
妊娠性歯周炎を防止するには日頃のセルフケアです。
歯周病の人は免疫力より細菌の方が強い状態ですから、女性ホルモンが増えればより活性化します。
そうならないようにするためには口内環境を正常に保つことでしょう。
これで歯周炎を軽減することができるようです。
妊娠するとX線による検査が受けられなくなります。
歯周病の治療は妊娠前に終わらせておくことも大切でしょう。
追記20150814
妊娠期間には「唾液づわり」というものがあり、唾液分泌過多になってつらい思いをする女性もいます。
歯周病予防には唾液の存在も必要です。
歯周病を防ぐはずの唾液が多いので歯周病とは無縁と考えられるのですが、実際はここまで紹介してきたように妊娠性歯周炎があります。
なぜ唾液が多いのに歯周炎になるのかについても考えてみました。
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