歯周病は脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高める原因となる

歯周病と関係する病気

前の記事では動脈硬化と歯周病について紹介しましたが、関連して脳梗塞心筋梗塞などのリスクも高める原因となる可能性があります。
動脈硬化が恐ろしいのはこれらの病気を引き起こすからといってもよいでしょう。

 

年度によって変わりますが日本人の死因で脳梗塞を含む脳疾患や心筋梗塞を含む心疾患は高い順位を維持しています。
今回は歯周病と脳梗塞、心筋梗塞について触れていきたいと思います。

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歯周病は脳梗塞や心筋梗塞に発展する

歯周病のイメージといえばおそらく口内で完結する病気であるかと思います。
日本人は海外に比べて自分の歯について無頓着な人が多いです。

私も人のことを言えませんが、健康診断で何度も指摘されたので重い腰を上げてようやく歯医者へ行きました。
現在は定期的に通って歯のクリーニングをしていますが、私のようにこまめに通っている人は少ないです。

 

歯医者に行っても待合室にいるのは子連れの親子かお年寄りで若い人は少ないことからもなんとなく想像できますね。
お年寄りが多いのは単純に歯が抜けてようやくことの重大さに気づいた証拠とも言えるかもしれません。

脳

話がそれましたので戻します。
2015年2月27日にアサ芸プラスに「歯周病の人は脳梗塞リスクが2.8倍に!重大病は歯磨きで予防できる!?」という記事が出たようです。
タイトルが示すように歯周病は脳梗塞を引き起こす可能性があります。

歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になりやすいと言われています。血圧、コレステロール、中性脂肪が高めの方は、動脈疾患予防のためにも歯周病の予防や治療は、より重要となります
出典:歯周病の人は脳梗塞リスクが2.8倍に!重大病は歯磨きで予防できる!? | アサ芸プラス

歯周病持ちの人はリスクが2.8倍に膨れ上がるというものです。

WS000002出典:歯周疾患の有病状況 | e-ヘルスネット 情報提供

厚生労働省のサイトでは古いですが歯周病患者のデータが公開されています。
2005年と2011年に調査したもので2011年には減少しているものの高齢になるほど患者が増えている傾向にあるのです。

 

50代以降は脳疾患や心疾患が起こりやすい年齢ですから、歯周病によってリスクが2.8倍になるのは致命的とも言えるでしょう。
たかが歯周病と軽く見るのではなく将来を考えてはやめの対策をしていくことは重要なのです。

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動脈硬化から脳梗塞・心筋梗塞へ

歯周病から動脈硬化に発展するという記事を先に紹介していますね。
動脈硬化については歯周病菌が歯茎から血管内に侵入して全身をめぐることで引き起こさるのです。

 

新潟大学は全身をめぐることで遺伝子情報が変動することで善玉コレステロールが減りプラークが蓄積して動脈が硬くなるとも指摘しています。
動脈硬化自体は血管が硬くなることですから、これ自体に病気を生み出すことはほとんど無いと言ってもよいでしょう。

 

動脈硬化の恐ろしいのはこの先にある脳梗塞や心筋梗塞などの病気があるためです。
血管壁にプラークが蓄積してしなやかさがなくなるのですが、このプラークがなんらかの理由で剥がれ落ち血液中を流れだすと問題を引き起こします。

歯周病原因菌などの刺激により動脈硬化を誘導する物質が出て血管内にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)が出来血液の通り道は細くなります。プラークが剥がれて血の塊が出来ると、その場で血管が詰まったり血管の細いところで詰まります。脳の血管のプラークが詰まったり、頸動脈や心臓から血の塊やプラークが飛んで来て脳血管が詰まる病気です。
出典:歯周病の人は脳梗塞リスクが2.8倍に!重大病は歯磨きで予防できる!? | アサ芸プラス

プラークは固形物ですから血液のように細い血管を流れることはできません。
細い血管の入り口などで栓をしてしまい血液の流れが十分確保できなくなるでしょう。

 

これが脳で起これば脳梗塞、心臓で起これば心筋梗塞となるのです。
歯周病が脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすのには違いありませんが、動脈硬化を経由して引き起こすということになります。

 

動脈硬化はコレステロールが問題でおこるので歯周病がすべての原因ではありませんが、遺伝子操作によって善玉コレステロールの働きが低下しますのでこれらのリスクが高まるのは間違いないでしょう。

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エコノミー症候群

余談になるのですが、エコノミー症候群という名前を聞いたことがないでしょうか。
国際線旅客機のエコノミークラスを利用している人が多く発症することで一躍有名になった疾患です。

 

エコノミークラスのように座席間隔が狭いと膝を曲げないと座れませんよね。
国際線のように長時間登場する場合はその姿勢を何十時間としないといけなくなります。

 

動脈硬化はプラークによって血管壁にプラークが付着することよって起こりますが、エコノミー症候群は血管を長時間曲げた状態にするので血流悪化が起こります。
そして血流が悪化している場所に血栓ができてしまいます。

 

これが立ち上がるという動作が反動となって血栓がはがれて肺に到達して呼吸困難に陥いるというものです。
エコノミー症候群も動脈硬化から来る脳梗塞や心筋梗塞と同じ仕組になります。

 

歯周病対策から長寿を目指そう

今回は歯周病と脳梗塞・心筋梗塞の話を取り上げました。

WS000001
出典:平成 26 年(2014) 人口動態統計の年間推計 – 厚生労働省

日本人の死因は

  1. ガン(悪性新生物)
  2. 心疾患
  3. 肺炎
  4. 脳疾患

となっています。

 

今回は紹介していませんが、3位の肺炎も誤嚥性肺炎が多く歯周病が関係しています。
つまり1位のガンを除いて2~4位は歯周病が少なからず関係しているのです。

 

舌ガンになる可能性はあります。

 

心疾患で多い心筋梗塞や脳疾患で多い脳梗塞は動脈硬化が発端となっていることが多いので、動脈硬化のリスクを高める歯周病もしっかり関係しています。
動脈硬化はコレステロールが高いことが原因と言われていますので、食事の見直しが一番の対策になるかもしれませんが、歯周病菌による原因も忘れてはいけないでしょう。

 

高齢者ほど脳梗塞や心筋梗塞になりやすいですし、歯周病も高齢者ほど深刻になります。
80歳までに20本の歯を残す「8020運動」を意識して歯を残すだけに関わらずあらゆる全身疾患を防ぐ意味でも歯周病対策は日々していく方が将来のためにも良いと思います。

 

追記20150722

歯周病は認知症についても指摘されています。

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