歯周病と認知症には関係があるのか?
最近は認知症と歯周病の関係について言及されることがありますが、私自身も調べてみて認知症との関係性はあるのではないかと考えるようになりました。
今回は歯周病と認知症の関係性について自分なりの考えを記事にしてみたいと思います。
歯周病と認知症は2つの理由から関係があると考えます。
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歯周病は認知症と関係あり
最初にも紹介していますが、歯周病が認知症と関係している理由は2つあると考えています。
その2つの理由とは
- マウス実験から認知症原因の可能性判明
- 入れ歯による噛み合わせの問題
現在の医学においても認知症は研究段階で結論が出ていません。
私の祖父も祖母も最期は認知症でしたので、どのような症状かはわかっているつもりです。
正直言って自分はあのような最期を迎えたくないと思うような壮絶なものでした。
ですから、やはり認知症には特に気をつけないといけないと感じるわけです。
しかしながら、現代の医学でも認知症については明らかになっていない部分が多く、歯周病と同じく可能性あるものはすべて排除しなければ防げません。
上記のようにマウス実験を今でもやっているくらいですからね。
少なくとも歯周病が認知症の原因であるという指摘が増えてきているのは確かなことですから、たかが歯周病と放置するのではなく将来の認知症対策と考えてやるべきことはした方がよいのではないでしょうか。
次からこの2つの理由についての考察を記していきます。
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マウス実験から認知症原因の可能性判明
2013年6月1日に日経新聞に下記のような見出しの記事が出ていたようです。
「アルツハイマー、歯周病で悪化 マウス実験で判明 名古屋市大大学院チーム」
この記事によると
名古屋市立大大学院の道川誠教授(生化学)らの研究チームが、歯周病が認知症の一種、アルツハイマー病を悪化させることをマウスの実験で明らかにし、1日までに日本歯周病学会で発表した。
出典:アルツハイマー、歯周病で悪化 マウス実験で判明 名古屋市大大学院チーム2013/6/1 18:59
名古屋市立大大学院の道川誠教授(生化学)らの研究チームがマウスを用いた実験により歯周病が認知症に影響を与えることが確認されたと発表したのです。
歯周病は口の中で起こる疾患であり、歯茎を弱体化させて最終的には歯が抜けてしまうものです。
口の中で起こる疾患ですから一見して脳の疾患である歯周病には関係ないと考えるかもしれません。
しかし、上記の記事で触れているように歯周病が脳梗塞を引き起こす可能性についても指摘されています。
歯周病は口腔環境で完結する疾患ではなくなってきているのです。
実験後にマウスの脳を調べると、歯周病菌に感染してからの約4カ月間で、記憶をつかさどる海馬にアルツハイマー病の原因となるタンパク質が沈着し、歯周病のマウスの方が面積で約2.5倍、量で約1.5倍に増加していた。
出典:アルツハイマー、歯周病で悪化 マウス実験で判明 名古屋市大大学院チーム2013/6/1 18:59
最後はこのように仕組みついて記されています。
記憶をつかさどる海馬の機能が低下してしまい認知症が加速するということなのですが、これだけでは理解が難しいでしょう。
私は「なぜタンパク質が沈着するのか?」と疑問を感じて納得ができませんでした。
ただし、
歯周病菌は動脈硬化を引き起こす可能性について指摘はされていましたが、その仕組は不明なままでした。
それを新潟大学の研究チームは遺伝子が関係していることを突き止めています。
動脈硬化は動脈内にプラークが蓄積しておこるものですが、健康であればプラークを排除する善玉コレステロールが働きますので動脈硬化は起こりにくいとされています。
その遺伝情報を歯周病菌が変動させてしまい、善玉コレステロールを減らしプラークが蓄積されやすい環境に作り変えてしまようです。
おそらく海馬にタンパク質沈着が起こる理由も遺伝子が関係しているのだと見ています。
脳でも動脈硬化と同じような現象が行われているのではないでしょうか。
1つ目の理由はマウス実験により認知症との関係が明らかにされたということです。
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入れ歯による噛み合わせの問題
入れ歯による噛み合わせが合わない場合も認知症になるのではないかと指摘されています。
現代において入れ歯にしないといけない理由の多くは歯周病によって歯を失うことでしょう。
歯周病で歯を早くに失うことは認知症のリスクを高めることにつながるのです。
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むらつ歯科クリニックの村津和正先生は古くから歯と全身疾患についての関係性を指摘している先生のひとりです。
こちらの著書を見ると入れ歯の噛み合わせが合っていないと認知症になりやすいと警鐘を鳴らしています。
上記の記事でも触れていることですが、噛み合わせが悪いと体のあちこちに不調が出てきます。
実際にうつ病の原因は噛み合わせにあったという事例は数多く報告されていますね。
食べるという行為は脳へ様々な信号を送り出しています。
もちろん「噛む」という行動そのものの信号も送り出されているのです。
慣れ親しんだ噛みごたえは人それぞれあります。
村津和正先生は合わない入れ歯による噛み合わせが脳への適切な刺激を阻害して認知症を引き起こす可能性を指摘しているのです。
老化とともに体の機能は衰えていきます。
老化によって歯が抜けていくことは避けられませんが、厚生労働省が「8020運動」を掲げているように適切な処置をすれば80歳まで20本の歯は残せるとされています。
今問題となっている歯周病は歯が抜けるペースを早めるもの。
はやくに歯を失えば噛み合わせの変化から認知症のリスクが高まっていくのです。
2つ目の理由は歯周病によって歯を失うことがもたらす入れ歯の噛み合わせ問題。
歯周病による海馬侵食と入れ歯の噛み合わせが認知症へ
今回は歯周病と認知症について取り上げました。
認知症は実際に目の当たりにすると想像を絶するものがあると思います。
私の祖母は90歳までは元気にしていたのですが、足を骨折して寝たきりになりました。
園芸を趣味としており90歳ですが体力がある方だったと思います。
しかし、寝たきりになり生きがいを失ったためか入院中から認知症が進んでいきました。
私の祖母の場合は骨折によって寝たきりになったことが原因だったのですが、2つ目の理由として紹介した脳への刺激による認知症は確実にあると考えています。
寝たきりになると食べることが最大の楽しみと言われています。
その食べる行為が認知症を悪化させるようなことでは虚しいですよね?
どんな状況であれ自分の慣れ親しんだ噛み合わせが一番でしょう。
さらに1つ目の理由で紹介したマウスによる実験でも歯周病と認知症の関係は明らかになっています。
歯周病と認知症は関係があると私は考えています。
歯周病は悪化してようやく治療をする人が多いですが、抜歯の選択を迫られるケースも多いそうです。
そうなると認知症になるリスクが確実に高まると言えるのではないでしょうか。
その他にも歯周病は全身疾患との関係性も指摘されていますので、日頃からのケアを大切にして80歳までに20本の歯を残すことを目指したいですね。
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