歯周病は唾液の免疫力によって防ぐことができる

歯周病と唾液の関係

水

現代人の多くは歯周病に感染しているとされています。
世界的にも感染者は多くギネスブックにも認定されているくらい疾患人口の多い病気です。

 

これらは20~30年くらいかけて進行していき、50~60歳あたりから歯が抜けると言った症状を見せ始めます。
歯が抜ける段階まで行っていればほぼ手遅れと考えてよいでしょう。

 

非常に長い年月をかけて進行していく歯周病ですが、これだけ進行が遅い理由として唾液による免疫力が阻害していることが考えられています。
唾液の免疫力に守られているから進行が遅くなるのですね。
今回は歯周病と唾液の免疫力について書いていきたいと思います。

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唾液分泌の低下は免疫力を左右する

最初にも触れたとおり唾液には免疫力があります。
唾液というと汚いイメージがあるかと思います。

 

実際にニオイを嗅いでみると刺激的なのでそのような印象を持たれるのも仕方がありません。
あのニオイの正体は歯周病菌を含めた雑菌です。

 

唾液が口内で発生している細菌をからめとって排除しているからある程度は清潔に保たれます。
口内を洗浄するのは歯磨きだけではないのです。

 

もし唾液が作用しなければどうなるでしょうか?
おそらく口内は雑菌だらけになってしまうでしょうね。

歯周病菌は全身疾患を起こす可能性があります。
唾液の免疫力は全身疾患とも関係してくるのです。

 

唾液がなければ生死に関わるような重病を若いうちから負うことになる危険性すらあるのですね。
唾液分泌の低下は免疫力すべてを左右するといっても過言ではありません。

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歯が抜けるてからでは手遅れ

最初に「歯が抜ける段階まで行っていればほぼ手遅れと考えてよいでしょう」と書きました。
歯周病の人は歯が抜けるまで放置する人が多いと言われています。

 

私も健康診断のときに隣で歯科検診を受けている人が抜歯しないといけない状態まで来ていたことが歯周病を治そうと考えたひとつの理由です。
唾液の分泌によって歯周病の進行は抑えこまれているのですが、歯が抜けてしまうとさらに歯周病が加速していく危険性があるのです。

クエッション

なぜ歯が抜けてると唾液が出にくくなるのかをここでは紹介していきます。

 

さて、唾液はどのようにして出ているのか。
これについて意見はいろいろありますが、ひとつの可能性として噛むことによって分泌されているということがあげられます。
噛むという行為自体が脳への刺激となり唾液が出やすくなると考えられているのです。

 

あまり実感はないかもしれませんが、食べ物を噛み続けるとペースト状になりますよね?
これは噛むと同時に唾液が分泌されてペースト状になるのです。

もし歯が抜けて噛む力が弱くなると唾液が出にくくなる可能性があります。

歯の中にも神経があり、さまざまな神経から脳へ信号が送られていきます。
歯が抜ければ脳へ伝える信号も少なくなりますから、唾液の分泌量にも影響が出てくるのですね。

 

歯がなくなれば入れ歯を入れれば良いと考えるかもしれませんが、歯の中にも神経がありますので入れ歯では代用になりません。
インプラントのような人工歯でも同じこと。

 

歯が抜けた段階で唾液による免疫力は低下する一方になり悪循環を生むでしょう。
自分の歯を末永く使うことが免疫力を保つ条件にもなるのですね。

 

「歯が抜ける段階まで行っていればほぼ手遅れと考えてよいでしょう」と最初に明記したのはこれが理由になります。
「犬歯を舐めると唾液が出る」となにかの漫画で紹介されたことがあるようです。

私が参考にしている村津和正先生の著書でも

おもしろいことに、食べ物やかむ場所によって、唾液の成分は変化します。肉をかみ切るときなど、人間は自然に「犬歯」を使いますが、このあたりでかむと唾液のなかのタンパク質濃度が高くなり、肉も消化しやすくなります。
出典:【楽天ブックスならいつでも送料無料】歯のゆがみをとれば95%病気にならない [ 村津和正 ]

とあります。
犬歯と唾液の関係は深いかもしれません。

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ラクトフェリン糖タンパク質で唾液を強化

犬歯の話を最後に触れたので関連して紹介していきます。
唾液は口内の免疫力であると紹介してきました。

 

唾液の成分のほとんどは水分であり、残りの僅かな成分に免疫力などが含まれています。
このうちラクトフェリンと呼ばれる糖タンパク質が免疫力に直接関係していると言われているのです。

ラクトフェリンについては過去にも扱っています。
ウィキペディアのラクトフェリンに対する説明では

ラクトフェリンはグラム陰性菌の細胞膜の主要な構成成分であるリポポリサッカライド(LPS)と結合することで、細胞膜構造を脆弱化し、抗菌活性を示す。また、ラクトフェリンは緑膿菌によるバイオフィルムの形成を阻害する。
ラクトフェリン ? Wikipedia

このような一文が含まれていました。

上記の記事でも触れていますが、歯周病には複数のグラム陰性菌が関係していると考えれられます。
歯周病を防ぐにはグラム陰性菌を排除していかなくてはいけません。
唾液に含まれるラクトフェリンはグラム陰性菌に有効であると考えられているのです。

 

これらの菌は歯垢(プラーク)を作り出して悪事を働くのですが、長引くと他の菌類と協力し合いより強力なコミュニティを形成します。
それがバイオフィルムと言われるものですね。

このバイオフィルム化すると歯石と同じく基本的に歯医者で除去してもらう方法しかなくなります。
さらにバイオフィルムは唾液の有効成分を寄せ付けない作用もあるため、ここまで来ると唾液の免疫力はまったく期待できないと考えてよいでしょう。

 

ですが、唾液に含まれるラクトフェリンはこのバイオフィルムを未然に防ぐ作用もあります。
歯周病を防ぐには唾液は偉大な存在なのです。

 

ラクトフェリンはヨーグルトの他にサプリメントなども出ています。
唾液の強化のためにこれらを摂取するのもひとつの方法でしょう。

 

歯周病を防ぐには唾液の免疫力

阻害 壁

今回は歯周病に対抗する唾液の存在について紹介してきました。
歯周病はある意味、唾液の免疫力によって進行がゆっくり進んでいると考えて良いかと思います。

 

歯周病を防ぐには歯磨きが有効であると言われていますが、唾液の殺菌力が働いており、1日1回程度の歯磨きでも防げると考えられるのです。
もし唾液の殺菌力が期待できなくなると歯周病の進行速度は早まるでしょう。

 

歯周病になると最終的に歯が抜けるという状態になるのですが、唾液と歯には深い関係があるとされています。
神経のある自分の歯で噛んたときと、神経のない人工歯で噛んだときでは、自分の方が唾液の質や量は良いとされているのです。

 

つまり歯周病で歯が抜けてしまうと唾液の免疫力も低下していき歯周病が進行しやすくなるでしょう。
悪循環にはまってしまうということです。
逆に言えば歯周病を防ぐには歯を大切にして唾液を正常に出る状態を維持していくことになります。

 

歯周病が進行すればやがて歯が抜けていくことになるでしょう。
しかし、若いうちからしっかりと自分の歯で噛み唾液を出していれば将来の歯周病を免疫力でも防ぐことができるようになります。
抜けてしまってからでは手遅れかも知れませんが、そうでなければ出来る限りのことをして口内環境の免疫力を高めておくようにすると良いです。

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