乳製品のラベルを見るとプロバイオティクスという言葉を目にすることがあります。
乳製品は善玉菌である乳酸菌などが含まれていますから、プロバイオティクスはなんとなく良いイメージかと思います。
プロバイオティクスは主に腸内環境の改善を目的として展開されているのですが、これが歯周病にも効果があるという話もちらほら聞こえますね。
プロバイオティクスが歯周病に良いのか考えてみました。
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プロバイオティクスとは善玉菌を増やすこと
プロバイオティクスとはどんなものかご存知でしょうか?
最初にも紹介したように乳製品に多い表記なので善玉菌が関係していそうな漠然としたイメージしかないかと思います。
それでほぼ正解と言って良さそうです。
プロバイオティクスは人体に良い影響を与える微生物などを活用して体質を改善していくことを目的としたものになります。
ウィキペディアの概要には下記のように説明されています。
人間は体内の微生物のバランスを崩すと病気になるという概念から、体内環境を整えるために、乳酸菌に代表される善玉菌を食品から摂取することで、消化器系のバランスを改善し、病気の発生を未然に抑えることができるとされる。この考えは、アンティバイオティクス(抗生物質)の副作用や、抗生物質によって生まれた耐性菌の発生に対する批判から生まれたものである。
出典:プロバイオティクス – Wikipedia
一般的に行われている治療のように薬剤に依存するのではなく、もともと備わっている治癒力を最大限に活用して改善を目指すものです。
体内で善玉菌である乳酸菌などは良い働きをすることは周知の通り。
ジスロマックを使った治療方法とは対極的な関係ですね。
効果の有り無しは別にして、一時期流行した酵素ドリンクもある意味プロバイオティクスといえるでしょう。
善玉菌に限らず体内で良い働きをする酵素などを増やすこともプロバイオティクスということになります。
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プロバイオティクスは東洋医学に近い考え
私の主観ですがプロバイオティクスは東洋医学の考えに近いものと言えます。
医学には今日本で一般的に行われている西洋医学と、漢方を代表とする東洋医学の2つがあります。
少し話が脱線します。
上記の記事でも触れていますが、私は軽度のうつ病を発症したことがあります。
うつ病治療にも薬剤が用いられて、それは西洋医学の考えに基づいています。
数年前にナイナイの岡村隆史さんがうつ病で休業していたことがありましたね。
治療中は漢方を詳報してもらっていたということで、私も漢方治療について調べたことがあります。
ここで西洋医学と東洋医学の違いを調べました。
西洋医学は原因を取り除いて完治を目指す治療方法が特徴です。
風邪を引いたら抗生物質が処方されてウィルスを撃退して完治を目指すことになるでしょう。
これに対して東洋医学は予防から入ります。
今でこそ西洋医学を主体にする日本の医療でも予防の重要性は強調されますが、もともと西洋医学に予防の概念はなかったそうですね。
なぜなら、病気にになって初めて医療が生きるのが西洋医学ですから。
東洋医学は予防の段階から治療が開始されていきます。
病気は善玉菌が減少して悪玉菌に負けてしまったら起こります。
ですから、善玉菌を増やして病気を予防しつつ体質を改善する方へ向かわせる治療をします。
プロバイオティクスは病気の予防の考えを持つ東洋医学に近いと言えるのではないでしょうか。
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歯周病におけるプロバイオティクスは機能するか?
予防の考えから生まれたと言っても良いプロバイオティクス。
歯周病に対して良さそうなイメージはあるかと思いますが、私は慎重にやらないと逆効果になるのではと疑問に感じていますね。
予防をすることは必要ですが、歯周病に対する方法がどうかなと感じるからです。
すでにプロバイオティクスについて触れたことがありました。
ヨーグルト歯磨きですね。
これは小腸や大腸で日々行われている善玉菌と悪玉菌の対決と比較して考えると良いかなと思います。
善玉菌の代表とも言える乳酸菌やビフィズス菌は腸内環境を整えてくれます。
乳酸菌やビフィズス菌は酸性の物質を作る善玉菌です。
これに対して悪玉菌はアルカリ性の物質を作ります。
腸内環境は善玉菌が多いほうが良いと言われることからわかるように酸性の状態が望ましいのですね。
そのため腸内では善玉菌が優位であると非常に良好な環境になるのです。
それに対して口内環境はどうか?
口内環境を正常にしてくれているのは唾液と何度も紹介しています。
唾液の99.5%は水分でできているため中性です。
口内環境は中性が望ましいことになります。
もし善玉菌が口内に増えすぎた場合、酸性優位になり歯を溶かす原因になります。
こうなってしまっては本末転倒ですよね?
虫歯菌と言われるミュータンス菌は乳酸を発生させて歯を溶かします。
乳酸菌は乳酸を作るから乳酸菌なので、果たして口内に乳酸菌を増やすことが正しい選択なのか疑問です。
ミュータンス菌の酸性に加勢する形になるようにも見えます。
プロバイオティスクにおいて口腔環境に影響を与えるのは乳酸菌LS1になります。
これは唾液にも含まれており、歯を溶かすだけのものではありません。
しかし、プロバイオティクスとして乳酸菌を歯茎に塗りこむなどの治療方法が行われるのであれば逆効果になりそうな気がします。
歯周病が進行しすぎている場合は強力な乳酸菌の殺菌力を必要とするでしょうから効果はあるかもしれません。
歯周病におけるプロバイオティクスは機能するか疑問はあますね。
この件はこんど定期健診で聞いてみようかと思います。
追記20150729
ヨーグルト歯磨きを含めたプロバイオテクスについて聞いてみました。
「初めて聞きました」というのが回答でした。
こちらでも紹介していることですが、やはり歯科系の人は医療よりも技術者なのかなという感じがしますね。
虫歯について聞いてみたのですが、本当にわかっているのかなという聞いている方が疑問に感じるくらいでした。
むしろ私のほうが詳しいのではとさえ感じたくらいです。
現場職は学者ではないので技術力が全てです。
「Aという原因にはBという対処」というようにマニュアル化されたものを淡々とこなすもの。
専門家だから全てに詳しいということもないようです。
現場である歯医者がこのような認識なのでプロバイオティクスは学者レベルの話なのかもしれません。
乳酸菌の摂取は必要だが酸性化する原因にも
ここまでプロバイオティクスの特徴を紹介してきました。
プロバイオティクスはある意味西洋医学の抗生物質漬けの治療方法に対する疑問から生まれたものです。
ですから、人間の持つ治癒力を活用した治療方法と言えるかもしれません。
どことなく東洋医学の考え方に近いと私は見ています。
主に実施されるのは善玉菌を増やすことでしょう。
腸内環境の改善のためにヨーグルトなどを活用して増やす方法が考えられます。
腸内環境は酸性が望ましいですから善玉菌が優位であることは良いでしょう。
しかし、口内環境は中性が望ましいですから乳酸菌が増えすぎるのは逆効果になるかもしれません。
乳酸菌は唾液にも含まれていますから、一度体内に吸収させるために摂取は必要です。
摂取は必要ですが、口内に乳酸菌を植え付けるような治療には疑問がありますね。
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