昔からフッ素は虫歯に良いと言われています。
そのような話を聞いたことがないでしょうか。
ここではフッ素と虫歯や歯周病についての関係性を紹介していきたいと思います。
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フッ素は猛毒→フッ素化合物は比較的安全
フッ素は虫歯に良いと言われるので健康的なものと認識されがちですが、実際は真逆で猛毒の気体と言われています。
私は高校のときに化学を専攻していたので、この話を聞いた時に衝撃を受けました。
単体は通常2原子分子の F2 として存在する。常温常圧では淡黄褐色で特有の臭い(塩素のようとも、きな臭いとも称される)をもつ気体。非常に強い酸化作用があり、猛毒。
出典:フッ素 – Wikipedia
ウィキペディアでもしっかりと猛毒と明記されていますね。
少しでも吸引したら病院へ行ったほうが良いとも言われているようです。
高濃度でなければいいのですが、万が一のことを考えて、病院に行かれる方がいいです。
フッ素ガス、気管が腫れます。重症の場合には肺水腫など起こり死亡もありえます。
出典:旦那が今日会社でフッ素ガスを吸ったと言っていて、風邪みたいな症状で… – Yahoo!知恵袋
そうは言うものの歯磨き剤などにフッ素は使われていますし、別の機会に紹介しますが水道水への添加も検討されています。
なぜ危険なフッ素が使われているのか?
確かにフッ素単体は非常に危険な物質ではありますが、歯磨剤などに使用されているフッ素はフッ素化合物で毒性が弱まっています。
(世間で言うフッ素はフッ化ナトリウム)
そのため使用量さえ間違えなければ比較的安全に使うことができると言われているのです。
フッ素は先日紹介した緑茶にも含まれていますし、食品には自然と含まれているものです。
最近は緑茶を飲む人が減っていると言われていますが、日本では馴染みの深い飲み物ですから自然とフッ素を摂取してきたことになります。
ここから考えてもフッ素は毒性があっても摂取量を間違えなければ問題はさほどないと言えるかもしれません。
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フッ素を直接使う場面
余談になるので読み飛ばしてももらっても大丈夫です。
上ではフッ素を直接吸って風邪のような症状が出たという質問をされているのですが、どのような職業につくとこの場面に遭遇するのでしょうか?
ウィキペディアにはフッ素の用途が紹介されていました。
屈折率の制御
フッ素にはガラスの屈折率を低下させる働きがあるため、光ファイバーなど通信の分野において、その屈折率制御にフッ素が使われている。
(中略)
清掃
半導体や液晶の製造装置に溜まったシリコンなどのかすを除去するためにフッ素ガスが使われている。
出典:フッ素 – Wikipedia
IT機器といいますから精密機械を製造する産業ではフッ素を活用する傾向にありますね。
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フッ素の歯に対する役割
フッ素そのものは猛毒であることが分かりました。
フッ素は周期表では第17族元素にあたります。
この第17族元素はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が分類されています。
塩素は先日紹介したパーフェクトペリオで活用されている「次亜塩素酸」が関係していますね。
「次亜塩素酸」が口内の歯周病菌を殺菌するというものでした。
ヨウ素についてはイソジンのところで触れた「ポビドンヨード」と関係しています。
このように第17族元素は非常に強い酸化作用があり殺菌力に優れているのです。
フッ素に関してもまったく同じで、殺菌力の高さから虫歯や歯周病に良いと言われています。
それを踏まえた上でフッ素の役割はどうかを見て行きましょう。
ライオンが販売する歯磨き剤「クリニカ」のサイトではフッ素の役割について下記のようにしています。
- 酸の産生を抑制
- 再石灰化の促進
- 歯質強化
それぞれについて考えていきます。
酸の産生を抑制
虫歯の原因菌はミュータンス菌と言われています。
ミュータンス菌は歯垢(プラーク)に棲み着き栄養補給をしながら乳酸を発生させて歯を溶かしていきます。
フッ素そのものには強い殺菌力がありますので、ミュータンス菌の働きを弱めると同時に酸の酸性を抑制します。
プラークを無効化することで歯周病菌に対しても有効です。
再石灰化の促進
歯の表面はエナメル質で覆われています。
エナメル質は打撃など物理攻撃(堅い食べ物を噛む)には非常に強いですが、酸には非常に弱い傾向にあります。
その弱さを突いてくるのが虫歯なのですが。
フッ素には再石灰化を促進する力があると言われています。
歯は溶けたらそのままではありません。
唾液に含まれる再石灰化成分が歯の修復をします。
フッ素はこの手助けをするのです。
歯質強化
歯質強化については上の「再石灰化の促進」とも関係してきます。
筋トレをすると筋肉痛になりますよね?
筋肉痛は筋繊維が運動によって破壊されてしまって起こります。
しかし、筋肉痛が収まると同時に元の状態に戻るのですが、このときに同じ圧力で破壊されないよう強化されて戻るのです。
フッ素には強化して戻る作用もあります。
エナメル質はヒドロキシアパタイト(水酸化リン酸カルシウム)で構成されています。
これが再石灰化するときにフッ素と結合するとフルオロアパタイトとなり虫歯や歯周病菌が出す酸に強くなります。
歯の情報を専門に扱う歯チャンネル88では下記のように紹介されています。
フルオロアパタイトはハイドロキシアパタイトよりも、細菌の出す酸に対して溶かされにくい性質を持っているので、フルオロアパタイトが形成されると虫歯になりにくくなります。
出典:フルオロアパタイト【歯科大辞典】 – 歯チャンネル88
フッ素は猛毒であるが歯に再石灰化に貢献
今回は昔から虫歯に良いと言われるフッ素について紹介してきました。
フッ素は虫歯が良いと言われるので積極的に取り入れていきたいものと思われますが、フッ素そのものは猛毒性であり死に至るケースもあります。
そのため摂取量には気をつけたいものです。
日本での飲まれている緑茶にも含まれていますから、自然と摂取することはできるでしょう。
フッ素が虫歯や歯周病に効果的な理由は殺菌作用です。
猛毒であるということはある意味強い殺菌作用を持っていると言うことにもなります。
周期表の第17族元素はパーフェクトペリオに使われる塩素やイソジンに使われるヨウ素もあります。
殺菌力だけでなく酸で解けた歯を修復する再石灰化を助け、さらに溶けにくいフルオロアパタイトに作り変えていきます。
これがフッ素が虫歯や歯周病に良いと言われる理由です。
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