歯を丈夫にするためカルシウムは効果があるのか?

歯周病の豆知識

カルシウム 牛乳

カルシウム効果があるのか?
骨を丈夫にするにはカルシウムが良いと言われますよね。

 

歯も骨と同じカルシウムでできていますから、効果があると思いますが実際はどうなのでしょうか。
カルシウムをたくさん取ることが歯にとって良いことなのかを考えていきます。

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カルシウム不足は影響がほとんどない

カルシウムをたくさん摂取しようと考えている人は、おそらくカルシウム不足を心配してのことでしょう。
虫歯のように歯自体がもろくなるのはカルシウム不足に結びつけやすいですからね。

 

実はカルシウム不足が歯に影響することはほとんどないと考えられているのです。
ですから、歯を丈夫にするためカルシウムの多い食品を食べたとしても歯に効果・影響はほとんどありません。

 

カルシウムは歯と骨に99%蓄積されており、残りの1%が血液中にあります。
この1%は歯の再石灰化などの骨の組織の入れ替えなどメンテナンスに使われる量で全体から見れば僅かな量です。

溶ける

骨が溶ける病気を骨粗しょう症と言いますが、骨折しやすい手足がカルシウムの溶け出しがよく見られる箇所です。
歯のカルシウムはカルシウム不足の補填には使われていません。

 

歯が抜ける原因は虫歯や歯周病であり、カルシウムが血液に溶けだしているものではないのですね。
骨粗しょう症の影響が少ないということは、カルシウムを多く摂取したことによる影響も少ないと言うことになります。

 

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歯の基礎を作る段階のカルシウム不足は問題

カルシウム不足は歯に効果・影響はほとんどないと紹介していますが、乳歯が生える時期や永久歯への生え変わりの時期は話が違ってきます。
先に紹介したように歯は基礎がしっかりしていればカルシウム不足の影響は受けず、歯が簡単に脆くなることはありません。

虫歯

歯周病や虫歯によって歯が脆くなることは当然ありますが。
乳歯や永久歯が生える時期は、歯の組織の総入れ替えです。

 

そのため永久歯をゼロから作り上げていくことになります。

 

もし、ここでカルシウム不足に陥ると基礎が十分でない歯となってしまい、一般的な歯の丈夫さが構築できない可能性があるのです。
学校給食では牛乳が毎日出て必要なカルシウムを補給できるように考えられていますが、牛乳嫌いで飲まないお子さんだと歯自体が脆いまま永久歯になるかもしれません。

 

乳歯や永久歯が生える時期はカルシウム効果が歯に直接影響してきます。

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唾液の水分量は99.5%

歯には再石灰化という組織の入れ替えがあります。
皮膚はターンオーバーと言われて28日で組織が入れ替わると言われていますよね。

 

特に歯は堅い食べ物などを直に触れますから、摩耗しやすい骨組織なのです。

昔の人の歯が丈夫だった理由は歯の組織の入れ替えが頻繁に起こっていたからではないという仮説もあります。

 

組織の入れ替わりに必要な栄養などを運んでいるのが唾液なのです。
唾液の99.5%は水分で残りの0.5%にはカルシウムなどミネラル分が複数含まれており口内環境を正常に保っています。

唾液の大半は水分ですが、水分のほかに下記のようなさまざまな成分が含まれています。唾液はただの水ではないのです。これらの成分が私たちの健康にとって大切な役割を果たしています。
1)水分(99.5%)
2)無機成分・・・ナトリウム、カリウム、炭酸水素、無機リン、カルシウム
3)有機成分・・・アミラーゼ(酵素)、IgA(免疫物質)、ラクトフェリン(抗菌物質)、リゾチーム・ラクトペルオキシターゼ(酵素・抗菌物質)、ムチン(タンパク質)
出典:サンスター>唾液学科

歯磨き粉の製造販売をしているサンスターのサイトでは唾液の成分をこのように紹介しています。

 

僅か0.5%のなかにこれだけの成分が含まれているのですね。
0.5%の成分が歯のメンテナンスも行うわけですから、カルシウムを多く摂取しても歯に影響がほとんどないことがお分かりいただけると思います。

 

唾液の水分量は99.5%なのでミネラルウォーターです。
口臭の元になったりネバネバしたりする唾液ですが、この原因となっているのは口内にいる歯周病菌などが原因です。

 

唾液そのものを非常に清潔なものになります。
もし唾液がネバネバしたりキツいニオイを発している場合は口内環境が悪化している証拠です。

 

ラクトフェリンについては下記の記事参考。

ラクトフェリンについては下記の記事参考。

唾液の分泌量は1日1~1.5L

ペットボトル

それでは唾液は1日にどれくらい分泌されているのでしょうか
厚生労働省が運営するe-ヘルスネットでは下記のように紹介されています。

唾液は健康な成人で一日1.0~1.5リットル分泌されると言われています。しかし個人差も多く、季節・年齢・性別・身体状況・服用薬剤などによって変動します。唾液分泌には、刺激などなくても分泌される安静時唾液と食事などの刺激により分泌される刺激唾液があり、常に口腔内を湿潤しています。唾液には粘膜保護・自浄・水分平衡・潤滑・緩衝・抗菌・消化・組織修復・再石灰化・発ガン予防などの作用もあり、口腔のみならず身体が正常な機能を発揮するため無くてはなりません。
出典:e-ヘルスネット>唾液分泌(だえきぶんぴつ)

1日あたり1~1.5Lでペットボトル1本分と考えて良いかと思います。

 

唾液は先に紹介したように歯の再石灰化を行いますが、その他にもさまざまな健康によい影響を与えるものになります。
唾液の分泌が不足して口の中が乾燥している人をドライマウスと言います。

ドライマウスは前歯の出っ歯などによる乾燥しやすい環境にある場合もそうですが、唾液の分泌量自体が少ない場合も起こります。

うつ病の治療薬にも副作用として口渇がありドライマウスになるかもしれません。

 

さらに乾燥した状態は口内の殺菌力が低下していますから雑菌の活動しやすい環境になります。
歯周病を悪化させる原因にもなるでしょう。

 

口内環境は健康状態を表すと言いますよね。
唾液の分泌が少ないことはさまざまな健康に悪影響を与えるのです。

 

カルシウムの摂取より唾液の分泌を増やそう

水

今回はカルシウムと骨についての紹介をしました。
最初に紹介したようにカルシウムの効果は歯に対して密接に影響を与えるとは考えにくいです。

 

血液中のカルシウムが不足した場合は、歯以外の骨から溶け出やすいです。
歯が血液中のカルシウム補填に使われることはないと言ってもよいでしょう。

 

逆にカルシウムを多く摂取しても骨粗しょう症の影響が出やすい手足に配分されて歯に回る分は限られると思います。
カルシウム不足の解消対策の効果を期待するのは良くないかもしれません。

 

歯のメンテナンスを行っているのは唾液です。

 

唾液が不足するとドライマウスと言って歯の再石灰化の他にも歯周病や虫歯の悪化を招く可能性も高まります。
健康な歯を維持したいならば唾液をしっかり分泌できる環境を整えることです。
カルシウムに効果を求めるのはその次で良いでしょう。

 

虫歯と唾液については下記の記事参考。

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