歯周病になるとさまざまな病気になりますが、その中でも高齢者に多いとされるのが誤嚥性肺炎です。
肺炎は現在日本において死因の第4位であるといわれ、多くが65歳以上の高齢者が該当します。
誤嚥によって口内の歯周病菌などが肺の内部に侵入し歯茎と同様に炎症を起こし発症するとされています。
ここでは誤嚥性肺炎について触れていきたいと思います。
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誤嚥性肺炎の発生する仕組み
歯周病に関する情報を探していると必ず出てくるのが誤嚥性肺炎です。
私も歯周病関係の著書は目を通していますが、誤嚥性肺炎について書かれていないものはないと言ってもいいほど当たり前に出てきます。
説明はあるものの、どのような仕組みで起こるのか理解できませんでした。
そもそも誤嚥とはなにか?
食べ物などを飲み込む動作のことを嚥下と言うそうです。
食べ物は咀嚼→嚥下の順で胃に送られることになりますね。
嚥下において誤りがあると誤嚥と言うそうです。
哺乳類は口や鼻で呼吸をしますよね?
食べ物を食べる行為と呼吸は同じ口を通して行うことになります。
そうなると食べ物は本来食道を通り胃に入るのですが、誤って空気の通る気管の方へいく可能性も出てきます。
食べ物が気管の方へ言ってしまうことを主に誤嚥と言います。
飲み物や食べ物を飲み込む動作を嚥下【えんげ】と言い、食道を通って胃に運ばれます。食道と気管は隣り合わせで、気管の入り口(喉頭【こうとう】)が大きく開いており、このままでは飲み物・食べ物が気管に入ってしまいます。それを防ぐためにフタの役目をもつ喉頭蓋【こうとうがい】という軟骨からなる部分が、嚥下の動作により気管の入り口をふさぎます。
出典:医療法人社団白水会 誤嚥性肺炎
医療法人社団白水会のサイトに分かりやすい図があったので利用させていただきます。
人間は喉の奥に喉頭があり、そこから気管と食道が分岐します。
気管の分岐するところには喉頭蓋と言うフタがあり、呼吸をしていないときは出入口は閉じています。
しかし、老化などが原因でフタの機能が正常に働かないと唾液などと一緒に嚥下した歯周病菌が肺の内部に進入することもあります。
これが誤嚥性肺炎の発生する仕組みです。
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咳が出る理由
突然ですが、咳がなぜ出るのか考えたことはあるでしょうか?
多くの人は咳が出る理由をしらないのではと思います。
私も「風をひいたら咳が出る」程度のことしか考えたことがないので咳が出る理由は知りませんでした。
咳は一種の防衛反応と言われています。
体調不良になると下痢になりやすいのは、体内に侵入したウィルスを排除しようと言う働きがあらうからです。
カンジダなどの真菌を除くと細菌やウィルスは熱に弱いですから風邪をひくと熱が出るのも防衛反応になります。
咳が出る理由は上で紹介した誤嚥が関係しているのです。
食べ物を食べている時を想像してください。
食べ物を飲み込むときは基本的に呼吸していませんよね?
嚥下と呼吸が同時にできたら食べ物が気管の方に入り放題になります。
先日テレビを見ながら飲み物を飲んでいて、飲み込むときに面白いシーンが入り鼻で呼吸をしてしまいました。
これが引き金になって咳が止まらなくなりました。
「変なところに入ってしまった」と言う状態ですね。
先に咳は防衛反応と紹介しましたが、万が一食べ物が気管側に入った場合は咳をすることで入り口まで戻そうとします。
風邪の場合は痰によって絡めとって出そうとしているようです。
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高齢者は誤嚥のリスクが高い
万が一誤嚥により気管に食べ物が入ったとしても咳をすることで肺の内部に進入するのを防ぐことができます。
しかし、高齢者になると咳が出ない人もいるようで、そのような場合は誤嚥性肺炎になりやすいと言えます。
それ以上に呼吸困難などの危険性すらあるといえるでしょう。
食事をするときは軽く俯いた状態で食べると食堂がまっすぐになり誤嚥がすくなるくなると言われています。
寝たきりになると食事をするときも仰向けになりがちですから誤嚥のリスクが増えます。
誤嚥性肺炎は歯周病菌の肺内部への侵入が問題とされていますから口腔ケアが重要です。
歯茎も老化で徐々に下がりますが、体のあらゆる機能が低下していきます。
歯周病菌が肺の内部に進入することが誤嚥性肺炎の原因と言われていますので、誤嚥を防ぐと同時に口腔ケアも力を入れる必要があるでしょう。
誤嚥性肺炎は歯周病のケアから
今回は誤嚥性肺炎について取り上げました。
誤嚥とはどんなものかは、最初に紹介した通り食べ物を飲み込む嚥下に誤りがあるということです。
喉頭で食道と気管が分岐するところで食べ物などが気管側に入ってしまうことでしたね。
万が一気管側に侵入した場合は咳をすることで入り口に押し戻す防衛反応が働きます。
健康な人であれば誤嚥があっても咳によって侵入は防げます。
しかし、高齢者のように体の機能が衰え始めると機能せず誤嚥性肺炎のリスクが高まります。
細菌は唾液などと一緒に入ってきますので、細菌を侵入させない対策も必要になります。
日頃の口腔ケアが大切であると言えるのです。
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