原因不明の胃痛や腹痛は歯周病による噛み合わせ変化の咀嚼不足

歯周病と関係する病気

胃痛

原因不明胃痛腹痛に悩まされている場合は歯周病が関係している可能性があります。
胃痛・腹痛が起こると当然ながら胃や腸の内部の疾患を疑うのですが、口・胃・腸は接続していますから大いに関係していることです。

 

先日紹介したピロリ菌も胃痛を起こし、感染経路として歯周病も考えられるとしました。
ピロリ菌に限らず歯周病が胃痛や腹痛を引き起こすこともありますので触れていきたいと思います。

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咀嚼不足による胃痛や腹痛

最近胃痛として関心が高いのはピロリ菌かと思います。
胃液は非常に強い酸性をしており、この内部では菌類は生存できないとされてきました。

 

その常識を破ったのがピロリ菌です。

炭酸飲料もpHが2.2で強い酸性を示していますが、胃液はそれ以上に強いです。
このピロリ菌は胃に棲み着いているのですが、最近は歯周病菌と同じく歯茎を弱体化させていくことも指摘されています。

ピロリ菌も胃痛を引き起こすことが原因になるのですが、それ以上に胃痛を引き起こすかもしれないことがあります。

 

それが咀嚼です。

 

咀嚼(そしゃく)とは、摂取した食物を歯で咬み、粉砕すること。
おそらく「よく噛んで日本ヘルスケアニュートリケア研究所食べましょう」と言う話を聞いたことがあるかと思います。

昔に比べて今はファーストフードに代表されるようにやわらかいものが多く、噛む回数が減ってきています。
堅いものと違いって数回かむだけで飲み込めてしまいますから、咀嚼の回数が減少傾向にあるのです。

 

この咀嚼不足が胃痛や腹痛と関係してきます。
日本ヘルスケアニュートリケア研究所では歯周病と胃痛について下記のように紹介しています。

歯周病に詳しい渋谷区のにいみ歯科医院の新美院長は、胃痛と歯の関係について以下のように語る。
「歯と唾液は、最初に食べ物を咀嚼する重要な消化器と考えられます。消化器の不調が長引いて、胃腸の詳しい検査をしてもこれといった原因が見当たらないときは、歯槽膿漏や虫歯を疑ってみてもよいかもしれません。年齢とともに歯茎も痩せていき、噛みあわせが変わったり、歯槽膿漏により歯茎がぐらぐらして食べ物が消化できないこともあるのです。

また、ストレスが重なると、寝ながら奥歯を噛みしめることで奥歯がすりへってしまい、噛む力が減少していることもあります。40歳を過ぎたら半年に1度は歯科医に検診に来られることをお勧めします」
出典:日本ヘルスケアニュートリケア研究所

ポイントとしては歯周病によって噛み合わせが変化している点ですね。
噛み合わせが変化するくらいで胃痛が起こるのか疑問に感じるかもしれません。
この説明ではなかなか理解し難いかと思いますので、もう少し詳しく触れてみたいと思います。

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咀嚼によってペースト状にする

食べ物を食べる時によく噛んで食べると良いと言われます。
これにはさまざまな理由があるのですが、胃痛や腹痛と関係する理由として「消化を助ける」と言うものがあります。

① 食べ物の消化・吸収によい
消化酵素のアミラーゼを含む唾液の分泌を促し、胃腸での食べ物の消化吸収を促進する。また、よく噛まないと、消化器官に余分な負担がかかり、消化不良を起こすこともある。
出典:“よく噛む”ことの大きな意味|咀嚼|口腔ケア|発育期

総合南東北病院では1つ目の噛む効果として上記のような説明があります。
噛むことによって唾液が活発に分泌されます。

 

高給な肉を食べる場合はすぐに飲み込むのがもったいないと感じて口の中で存分に噛んだりしませんか?
噛めば噛むほどペースト状になりドロドロな状態になりますよね。

 

ドロドロペースト状になるのは噛むことによって唾液が分泌されるからです。
唾液の中には炭水化物を消化するアミラーゼが含まれています。

米

肉はタンパク質なので唾液で消化・分解はされませんが、主食の炭水化物は咀嚼をすることで胃にかける負担を減らします。

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胃薬にも使われるアミラーゼ

食べ物を食べると口での咀嚼を終えて胃袋に入りますね。
胃袋に入ると胃液によって消化がはじまります。

 

消化もするのですが、次の行程である腸へ送るため食べ物をさらに細かく砕きます。
胃を通過して腸に流れ込む食べ物は粥状になっているとされており、消化できないもの以外は原型を留めないようです。
その状態にならないと胃腸へは送られません。

 

 

咀嚼が十分行われないと胃液によって粉々に砕く必要がありますから、胃液の分泌が活発になり、それが胃痛に繋がる可能性があります。
ピロリ菌の場合は胃の中でウレアーゼと言う物質を出して胃液を中和して機能を低下させ胃液分泌を過剰にして胃痛を起こします。

 

原理としてはピロリ菌と同じと言えるでしょう。
アミラーゼは炭水化物をオリゴ糖へも作り変えます。

腸

オリゴ糖は大腸で働くビフィズス菌のエサになりますから、ビフィズス菌を活性化させます。
ビフィズス菌が活性化すると消化しやすい環境になりますから消化不良による腹痛予防にもなるでしょう。

 

咀嚼が十分でない

歯

ここまでは咀嚼の回数が少ないと消化不良で胃痛や腹痛が起こると紹介してきました。
これに歯周病が重なるとどうなるか?

 

歯周病になると歯茎が痩せて噛む力が弱くなるだけでなく、歯並びなども変化して噛み合わせが変化します。
多くの人は食べ物を食べるときに噛む癖ができています。

 

よく噛む人は自然と噛む回数が増えますし、逆に噛まない人は不十分な咀嚼で飲み込みます。
歯周病は自覚症状がなく徐々に進行していきますから、歯周病の初期段階では咀嚼回数が少なくてもかみ合わせで乗り切ることはできるかもしれません。

 

それが症状が進行するに連れて噛み合わせが変化して、同じ食事の仕方でも咀嚼不足になり知らず知らず胃腸に負担をかけることに繋がります。
ファーストフードなどやわらかい食べ物が蔓延していますから、噛み合わせの変化に気づきにくい環境です。

 

日本ヘルスケアニュートリケア研究所で紹介されている金融機関管理職Sさんは堅いものが食べられない状態まで進行していたようですから、普段からやわらかいものしか食べていなかったのでしょう。
このようにして原因不明の胃痛や腹痛に発展する可能性は十分あると考えてよいでしょうね。

 

胃痛や腹痛の原因は歯周病に

今回は原因不明の胃痛や腹痛は歯周病に原因がある可能性があると紹介しました。
胃痛についてはピロリ菌で過去に触れていますが、今回はピロリ菌以外の理由として紹介しています。

 

これを見て噛む回数が少ないことが胃痛や腹痛の原因になると理解できたのではないでしょうか?
もちろん、胃痛や腹痛はストレスなど心因的な理由で来ることもありますから歯周病が絶対とは言えません。

 

しかし、歯周病を放置するとこのような症状に発展する可能性があることは知っておいて損はないでしょう。
もし原因不明の胃痛や腹痛に悩まされたら歯周病を疑うのもひとつです。

 

あとは食べ物はよく噛んで食べて唾液をしっかり出してアミラーゼに働いてもらいましょう。
歯を80歳まで20本残すことも大切ですが、消化器官の胃腸の働きも忘れてはいけません。

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