リンゴは歯に良いが食べる量に注意が必要【虫歯助長】

食べ物で歯周病予防

りんご

リンゴは健康によい食べ物であると言われていますよね。
習慣的に食べている人も多いのではないでしょうか。

 

このリンゴは歯に良い食べ物であるとも言われています。
歯磨き粉の中にもリンゴ酸が配合されているものが多いですからね。

 

そのような意見もあるのですが、一部ではリンゴが虫歯を助長するという意見もあります。
ここではリンゴが歯に良い食べ物と言えるのかを考えていきます。

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リンゴの酸は歯を溶かす可能性あり

リンゴは歯に良い食べ物と言えるのか?
歯に良いかどうかというのは歯周病や虫歯のように菌を増やす原因となるものの他に歯を溶かしてしまうものかどうかも重要になります。

 

あとでも紹介しますがリンゴは酸性の食品と言えます。
リンゴにはリンゴ酸やクエン酸など酸性の物質が多く含まれています。

 

リンゴ酸は歯磨き粉に含まれておりホワイトニングができるというような説明を見かけますね。
確かに汚れを浮かして落とすので歯のクリーニングはできると思いますが、もしそれが歯を溶かして汚れを落としているとしたら必ずしも良いとは言えません。

 

リンゴが歯に良いか良くないかは賛否両論です。
今回は良いという意見と良くないという意見に分けて紹介していきます。

 

リンゴが歯に良くという意見

まる

リンゴが歯に良いという意見から紹介していきたいと思います。
良いと言われている理由は2つ。

  • 食物繊維による歯の清掃
  • 唾液分泌の活発化

リンゴという食べ物を想像するとどのようなイメージがあるでしょうか。
水分が多いみずみずしいイメージかもしれません。
リンゴは食物繊維が豊富に含まれています。

りんごの果肉の繊維は柔らかく、歯にへばりつく性質はないし、歯の表面に付く食渣を清掃する作用があることは想像できる。また、りんごは唾液分泌を促す作用もあることだろう。細菌繁殖に対する研究は見あたらないが、口腔内の清掃作用という点から、う歯予防の効果があるのではないだろうか。う歯の予防として繊維質の多い野菜、果物は歯面清掃に役立つと述べられている6)。
出典:18 りんごとう歯-佐々木直亮のホ-ムペ-ジ

すでにお亡くなりになられている佐々木直亮医学博士という長年リンゴの研究をされていた先生がこのような記事を残しています。
リンゴは咀嚼するとシャリシャリと音をたてることからある程度の強度があり、これが歯を清掃するとの見方をしていますね。

 

同じくリンゴが良いと言われる理由として唾液分泌を活発にすることです。
佐々木直亮先生はこの件についても言及されています。

 

ただし、「りんごは唾液分泌を促す作用もあることだろう」と押しは弱い感じです。
原理としては口の中が酸性になるので薄めようとする働きでしょう。
リンゴは酸性の強い食べ物ですからね。

 

調べた限りではリンゴが良いと言われる理由はこの2つでしょうか。

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リンゴが歯に良くないという意見

リンゴが歯に良いと言われる反面で良くないという意見もあります。
それにはどのようなものがあるのか?

 

これについては理由は1つ。
リンゴは酸性の食品なので歯を溶かすというものです。

過去には上記のように菌を増やす原因ではなく、歯を溶かしてしまうものがあると紹介しました。
炭酸飲料は歯を溶かすと言われますが、まさにそのとおりなのですね。

虫歯菌の代表であるミュータンス菌は歯を溶かしていくのですが、溶かす方法はミュータンス菌が乳酸という酸を出すことで溶かしていきます。
つまり、酸性のものを口に入れれば歯が溶けることになります。

 

酸性かアルカリ性かを示す指標として水素イオン指数(pH)があります。
数値7を中性としてこの数値より大きければアルカリ性、小さければ酸性を示すのです。

 

WS000002出典:岐阜大学教育学部理科教育講座(地学)

岐阜大学教育学部にサイトではリンゴのpHが公開されており数値4を示しています。
つまり酸性ということですね。

酸性・アルカリ性を示すpH値は、7が中性です。数字が7より小さいと酸性、大きいとアルカリ性になります。歯の表面のエナメル質は、5.5以下の酸性の飲食物に触れることで、軟化し溶けてしまうのです。
出典:歯が溶ける! 酸蝕歯を知っていますか? |綾瀬 相原歯科医院|最先端の治療を綾瀬

綾瀬 相原歯科医院ではpHが5.5以下であると歯が溶けやすいとしています。
リンゴには歯を溶かす作用があるということなのです。

 

リンゴは少なくとも歯を溶かす可能性があるため良くないという意見も出ているのですね。

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食べ方の問題

リンゴのpHは4であり歯を溶かす基準である5.5を下回っています。
これは歯を溶かす食べ物であると言ってもよいでしょう。

 

かといってpHが5.5を下回る食べ物を食べたらすべて歯がだめになるかというとそうではありません。
コカコーラのpHは2.2ですからリンゴよりも下です。

 

しかし、ほとんどの人は飲んでも歯の表面がざらつくくらいで、しばらくするとざらつきもなくなり正常に戻るでしょう。
これは再石灰化が働いて溶けた部分が修復されているおかげなのです。

 

このように酸性が強い食べ物を食べたとしても再石灰化で戻るのが正常になります。
普通は戻るのですが度が過ぎたことをすれば虫歯を助長するような結果にもなるでしょう。

この青森県内弘前地区にう歯が多いという所見は、鈴木信吉が報告2)していた北海道の余市地区におけるりんご園地区の学童よりもう歯罹患が高度であるという成績と同様、津軽地区がりんご園の中心地域であってう歯が高度であることと一致していた。鈴木は、北海道のりんご生産地帯から来る小中学校生のう蝕発生率が、他の地域の学童生徒より10%内外高率であることを認め、りんご地域の子供たちは1日10-20個のりんごを摂取しており、
(以下略)
出典:18 りんごとう歯-佐々木直亮のホ-ムペ-ジ

リンゴ農家の多い青森県でリンゴ園を運営している家の子供は虫歯率が高いと紹介しています。
食べる量が普通では考えにくい10~20個だそうです。

 

毎日10~20個も食べていればpH4とは言え歯にダメージが蓄積するでしょう。
再石灰化が間に合えば問題無いですが、これだけのリンゴを食べていれば再石灰化でカバーしきれない部分も考えられます。

 

ミュータンス菌は乳酸を出して酸化させて歯を溶かしていきますが、リンゴを食べることで酸性度を高めて後押ししていることになるのです。
リンゴは歯を溶かすので良くないのは事実なのですが、食べ方が極端な場合に限るようにも見えますね。

 

リンゴは歯に良いかもしれないが

歯

今回はリンゴが歯に良いかどうかというテーマでした。
賛否両論あるリンゴですが、私としても良いか良くないかは判断が難しいように感じますね。

 

リンゴは歯のクリーニングができたり唾液の分泌を活発にしたりするので歯に良いと言えるかもしれません。
しかし、それを裏付ける情報があまりないのも事実で、もやっとした感じが拭いきれません。

 

逆に反対意見として出ているものはpHが4であり歯を溶かす5.5の数値を下回っているという数値を示した根拠ある話になっています。
なってはいるのですが、こちらについても1日にリンゴを10個や20個食べた場合に限るようで普通に食べるぶんには問題無いと考えられるのです。

 

リンゴに関しては整腸効果があり下痢や便秘に良いとも言われています。
食物繊維が多いので健康食品の代表みたいな扱いもされています。

 

そのため歯に良い良くない関係なく食べたほうがよい食品であるのは間違いないです。
ただし、食べる両には気をつけないと虫歯を助長する結果になるかもしれません。
うまくまとまりませんが、リンゴは常識の範囲で食べる分には歯を悪くする結果には繋がりにくいのかなと考えられますね。

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